ガヤガヤと賑わっているホグズミードの細い道。私はそれをきらきらとした目でみる。 六年にもなるのに、私は今日初めてホグズミードへと行くのだ(やっと親から許可がもらえた) それに初めての相手はシリウスだ。すごいテンションが上がっている(のだが)



「ひと、多いね。ちょっと酔いそう」
「クリスマス前だからなー」



すらすらと歩けない。立ち止まっては、進んで、また立ち止まる、の繰り返しだ。 そういえばまわりの店や街灯などはクリスマス仕様ですごく素敵だ。そうか、もうすぐクリスマスか。 私もクリスマスの準備しないと。シリウスのプレゼント何にしよう。あの人は家がお金持ちだから やはり高価なもののほうがいいか。それとも逆に庶民っぽいものがいいのか。 悩んでるのもあれなので、シリウスに聞いてみてもいいかもしれない。



「ねえ、シリウスクリスマスのことなんだけど____」



振り返る。だけどそこには知らないハッフルパフの人。驚いた顔をして「え?」と問い返してきた。 慌てて私は「人違いでした!」とその場から離れた。…おかしい、シリウスがいない。 というか、たぶん私が迷子なんだ。まわりを見渡しても知らない人ばかりでここがどこだかもわからない。 シリウスとはぐれてしまった。…どうしよう。

私は仕方なく人ごみの流れにそって歩くことにした。この人ごみの中でシリウスが探せるだろうか。 ホグワーツの中でならすぐシリウスを見つけられる自信があるのだけれど、 こう街の人もいっぱいいると自信がない。



「シリウスー」



名前を呼びながら歩いているけど、見つからない。せめて、誰か知り合いでも…と思ってはいるけど 知り合いもなかなか見つからない。初めてのホグズミードで、こんな目に遭うなんて。情けない。 もういやだ、帰りたい。と思っていると「!」と私の名前を誰かが呼ぶ。この声はシリウスだ。 きょろきょろと周りを見渡すけれど、シリウスの姿は見つからない。私も雑音に負けず「シリウス!」と叫んだ。 すると、また「!」というシリウスの声が聞こえたかと思うと、ぐいっと腕を引っ張られた。



「うわっ、」



バランスを崩して転びそうになったけれど、誰かが支えてくれた。ぎゅ、っと後ろから抱きしめられる。 見上げると少し息を切らしているシリウスだった。___よかった。



「よかった、ごめんね、はぐれちゃって」
「焦った…。俺も悪かった、」
「けど、シリウス私を見つけてくれた」
「当たり前だろ」



ふっと笑う。それから心配したように「大丈夫か?今日は帰るか?」と言ってきた。 ううん、やっぱりまだ楽しみたい。それにシリウスが私が好きそうな店があるって言ってたでしょう、 と言うとシリウスは笑った。「じゃあ、連れていこうか」と手を繋いだ。



「また迷子になってもらっても困るからな」



大丈夫、シリウスが手を繋いでくれてるから、って言うと、手を繋ぐ力がぎゅっと強くなった。








Reach the first star of evening.
一番星に届け!