先日、ジェームズとリリーとの間に赤ちゃんが生まれた。 生まれたとき電話がかかってきてジェームズが「生まれたよ!可愛い!本当に小さいよ!(以下略)」 って興奮していたのを思い出すとちょっと笑える。



「男の子なんだよね、いいなー可愛いんだろうなあ」
「誰だって小さい頃は可愛いさ」
「シリウスの小さい頃とか見てみたい」
「断る」



昔のシリウスは素直で可愛かっただろうなあ、って嫌らしく言うとシリウスは「今でも素直だろ?」って言う。 (どこが)もう大人だというのに相変わらずバイクを改造して夜になると大きな音を鳴らして 飛んでいるくせに。やめなさいって言ってもまったく言うことを聞いてくれない。



「男の子だったら、クディッチ選手になってほしいよね」
「そうだな。俺達の悪戯を伝授してやろう」
「だめ。貴方達みたいに問題児にでもなったらどうするのよ」
「ひどいな、は。確かに問題児だったが、勉強もできてただろ」
「まあ、確かに。でも女の子も一人欲しいよね」
「女か」
「うん。可愛い服いっぱい買ってあげたいし、一緒にショッピングとかもしたい」



そんな会話をしていると、こいつはどっちだろうな、とシリウスは私のお腹を見て笑う。 私は自分のお腹を撫でた。そう、ここには一つの命が宿っている。まだ大きくはないけれど。 コーヒーを飲んでから、そういえば、私は思い出す。



「名前、決めたの?ジェームズとリリーの子に」



そう問うと「おう」とシリウスは返事をする。生まれたときに、シリウスは「名付け親になって」と 二人から頼まれたらしいのだ。それからずっとシリウスはソファに座って考えていた。 だからその日はバイクも乗らなかった(本当に珍しいんだから)



「ハリー、って名前にする」



いい名前だろ!ってシリウスは笑う。うん。いい名前。ハリー。きっとジェームズとリリーとの間に 生まれた子だし、名付け親がシリウスだからすごい魔法使いになるんだろうな。 ちょっと未来のことを想像してふふ、と笑う。



「じゃあ俺達の子も、あいつらに名前つけてもらおうか?」
「いいね、それ!きっと素敵な名前をつけてくれるわ」
「早く生まれるといいな」



シリウスは私のお腹を撫でる。 「まだ5ヶ月だよ」っていうとシリウスは「もうすぐさ」とおでこにキスをした。







君も笑った気がした