「絶対を迎えに行くから、待ってろ」



気付いたら彼はいなかった。そんなホグワーツを卒業した日からもう2年経つ。 シリウスが卒業して何をしようとしていたのか、彼女である私には全然教えてくれなかった。 それがさびしいわけじゃない。きっと彼にも理由が合ったのだろうし、 危険なことだから教えてくれなかったのだろう(わかっていても止めることはできなかった)

でも、私はどんなにシリウスが危険なところへ行こうと着いて行くつもりだった。 けれどそれを彼に話しても話をそらされるだけだった。



「私はシリウスの傍にいたいの」



私は貴方と一緒にいる。私も一緒に戦う。 卒業したときに彼にそう告げると、今度は話をそらすことはなかったけれど頷いてくれることはなかった。 「千尋のことは愛してる」そう言って、待ってろ、だなんて言って彼は行ってしまったのだ。 それから私はずっと待っている。たとえ、彼が私のことをもう忘れてしまっていても。



「どこにいるのかしら…」



ふと、リビングに立てかけてある私とシリウスが写ってる写真に手をのばす。 やっぱり、シリウスを写真で見ると昔を思い出して会いたくなる。 今どこにいるのかなあ、なんて。

そんなとき、外からバイクのエンジンの音が聞こえた。 ここらにしてはバイクなんて、珍しいなと思っていると家のインターホンが鳴る。 写真立てを置いて玄関に向かい、扉を開けるとそこにいたのは黒髪の、



「…シリ、ウス?」
、遅くなった」



シリウスだった。髪が少し長くなって、背も伸びていて。 本当に、シリウス?って何回も聞くと彼は笑って「そーだって言ってるだろ?」と笑う。 何か言おうとしたら、シリウスがぎゅっと抱きしめてきた。 それからなんて言ったと思う?



愛してる。結婚しよう」



だって。もちろん、はいって答えたに決まってる。







2年というのは長いようにみえてあっという間だった