シカマルとテマリさんが付き合っているのじゃないか、という噂は瞬く間に広がった。 仕方ない。だってテマリさんが木の葉にいる間ずっとシカマルは傍にいたらしいから。 今考えれば、その滞在していた4日間シカマルと全然会っていなかった気がする。 (私も任務だったし)



「どー思いますかカカシ先生」
「どーってねえ。俺は今ちゃんにつき合わせられてるのがどーかと思うよ」



昨日の出来事を聞いてもらいたくて、でもサクラもいのもアスマ先生もみーんな任務やらでいなくて。 もういい、一人で焼肉のやけ食いだ!なんて思っていたところにカカシ先生が現れたので せっかくの休暇なのに私のわがままで焼肉に来てもらっている。



「それに、シカマルは任務であーやってるだけかもよ?」
「テマリさん美人だもん。シカマル美人な人好きだし」
「あのねえ、好みと実際に好きになる人がは違うの」
「好きな人いないカカシ先生に言われても説得力ない!!!」
「失礼でしょーよ!!」



まあ、今日は私が奢るから私の愚痴聞いてください!って言うとカカシ先生はため息をついた。 「シカマルとここに来るんじゃなかったの」と聞かれたけどもういいんです、って言った。 もうシカマルとはここへ来ないことに決めた。ていうかもう、彼女いるシカマルなんて誘わないし! ほら、じゃんじゃん食べましょう!ってメニューを持つと「よくねーだろ」って声が聞こえた。 そしてメニューをほいっととられた。そうして人物を見るとシカマルだった。



「あーら。俺は邪魔みたいだから帰るよ。またネ」
「え!?ちょ、カカシ先生!!!待って!!!」



急いで先生の腕を掴もうとするけど瞬身でいなくなってしまった。逆に私の腕はシカマルに掴まれている。 彼は今不機嫌な顔をしている。それから腕を離して先程までカカシ先生が座っていたところに座った。 ちょっとこれやばいんじゃない?



「俺と焼肉行くって言ってたんじゃねえのかよ」
「いや、あの」
「俺が奢るってんだからいいだろ」



シカマルは店員を呼んでいつものように肉を頼んだ。 私がいつも食べるものとか、絶対ウーロン茶を飲むのを知っているから悔しい。 (そういえば、ここで食べてるときいつもシカマルがいる)



「で?その約束を破ってカカシ先生と何で来たんだよ」
「昨日のは約束じゃないでしょ。さ、誘っただけだし」
「それを断って俺が今度奢るからって言っただろ」
「んー…」
「今日の変だぞ」



まあ、自分から見ても変だ。だってここへ来たらいつもはテンション上がって肉が来るまで 喋りっぱなしだし。カカシ先生と2人きりでここへ来たなんて今考えればすごいことだ。 でも変になるのもあたり前だ。だって昨日、シカマルは…。 その後、沈黙が続く。肉が来てもウーロン茶が来てもずっと沈黙。 シカマルは私を見ながら来た肉を焼き始めた。だけど、その沈黙が嫌になったのか、 いつもの口癖である「めんどくせー」と言いながらシカマルは沈黙を破った。



「俺が何したって言うんだよ」
「別にシカマルのせいじゃないけど…」
「じゃあ、いつものに戻れって。黙ってるお前気持ちわりー」
「いや、そんなすぐには」
「…何があった。俺に相談できないことかよ」

「いや…昨日シカマルとテマリさんが付き合ってるって聞いてちょっとショック受けてるだけ」



ぼそり、と呟くとそれを聞いたシカマルは驚いた顔をした。 それからまた「めんどくせー、ほんと」とつぶやいた。 め、めんどくさいって何よ!!私はこんなにショックで!失恋したんだから! なんて言えるわけもなく、私はウーロン茶を一口飲んだ。



「あいつとは付き合ってるとかじゃねえよ。一緒にいたのも任務で案内役を任されたからだ」
「でも!お似合いだったし!ナルトだって言ってたし!」
「似合う似合わない関係ねえだろ!ナルトの言い出しは大抵合ってないのもお前が一番わかってるだろ!」
「でも!!昨日!!!!」
「あー…お前、だから」



まためんどくせー、とつぶやいた。もう私は涙が出そうになっている。 目を袖でごしごし拭いているとシカマルが頭に手をぽん、と置いてきた(え!?なに!?) それから、もう一度付き合ってねえから。それにあんな女興味もねえ。と言った。



「あのとき、任務じゃなかったら俺はすぐにお前と焼肉に行ってた」
「本当!?」
「マジ。だからそんな落ち込むなって」



それから肉食おうぜ。ってとっくに焼けていた肉を取って食べた。 じゃあ、今日は本当にシアマルの奢りなのね?って意地悪く聞くとシカマルは「調子のいい女だな」って 笑った。







調子のいい奴