「"女"になったら、あたしを愛してくれる?」



そうに言われた。あれから俺の頭の中はずっとのことばかりだ。 もう足元にある、珍しい酒もまだ少ししか飲んでいないのに、どうでもいい。 しかしまさか、があんなことを言うと思わなかった。



「やべぇなァ…」



ここ数年、は驚くほど成長した。本人が気付いていないだけだ。 胸も大きくなって、くびれも出てきて、色気が出てきた。そこら辺の女より、 いい女になったと思っていた。そのせいか、自分がに対する気持ちも少し変わっていた。 小さい頃から知っているし、子供ように思っていたが、ここ最近は別の感情が出てきた。 の一つ一つの仕草に目を奪われるようになった。抱きしめたいと思うようになった。 だが、そんな感情は抑えていた。出してはいけないと思った。のためだ。あいつはまだまだ若い。 これからいろんな経験をしてく。俺なんかが出ることなんてない。そう思って抑えていたのに。



「あんなこと言われちゃァ、抑えられるわけねェ」



あたしが"女"になったら、シャンクスはあたしのこと愛してくれる?なんて言われても。 はとっくに"女"になっている。愛してくれる?お前がいいのなら、愛すに決まってるだろ。 キスだってしてやろう。力いっぱい抱きしめてやろう。 今まで抑えていた感情がの言葉でパーン、と一気に溢れ出した気がした。 もう止められないだろう。いや、止めさせやしないさ。



「俺のほうがまだまだ子供かもしれねぇなァ」



こんなに感情を止めることができねェなんて、ベンに言ったら笑われるだろうか。



は部屋に戻るって言ってたよな…」



ちょうどいい。今すぐ愛してやろう。部屋に入ったら思いっきり抱きしめてやろう。キスしよう。 "愛してる"って言おう。そしたら、あいつは喜ぶだろうか。 いや、あいつよりも俺のほうが喜ぶだろうな。







まだまだ子ども