「俺の通り名を知ってるのかよい」



夜になると人気が少なくなる甲板にマルコを呼び出して好きって伝えた。
戦闘前よりもどきどきして、頑張って言ったのに。返ってきた言葉はそれだった。



「通り名?"不死鳥"じゃないの?」
「わかってるじゃねえかよい」
「それが?なに?」
「俺は悪魔の実を食べてからずっとこの姿だよい」
「うん?」
「何十年経った今でも見た目は変わっちゃいねェ」



つまり、外見は若くても中身は歳をとってるって言いたいの?そう問うと彼は頷いた。
確かに彼は悪魔の実を食べてからずっと外見は変わっていないらしい(昔からいる船員に聞いた)
だけど、それがどうしたって言うの?



「俺はお前よりかなり歳をとってる」
「それは中身でしょ?」
「が歳をとっても俺はこのままなんだよい」
「それがどうしたっていうの」
「嫌じゃねェのかよい」
「嫌?好きなのにそんなの気にすることないと思うけど…」
「お前はわかっちゃいねェよい」



お前はまだ20代だろい。こんなオッサンといるよりはエースなんかの若い奴らの方がいいよい。
そう言った。どうしてそんなことを言うの。



「なんでそこでエースが出てくるの!エースは関係ないでしょ!」
「はぁ…、お前なぁ」
「私はマルコが好きなの。マルコじゃないと嫌なの。恋は気にしたら負けって言ったのマルコでしょう!」
「・・・・・」
「それに嫌なのはマルコの方じゃないの?」



マルコは外見はずっとそのままで、私はどんどん歳をとってく。
髪も真っ白になって、しわも増えて。おばあさんになった私とマルコは合わない。
そんなふうになるのが嫌だから?遠まわしに嫌って言っているの?
それともただ私のことが嫌い?好きじゃない?



「はっきり言って、マルコ。嫌なら嫌って」
「…、」



ああ、フラれる。そう思った瞬間、ふわりとマルコに抱きしめられた。



「マ、ルコ?」
「参った。には適わねェよい」
「どういう意味?」
「恋は気にしたら負けだって言ったのは俺だったよい」
「…そうだよ」
「こんなオッサンがお前を守っていいのかよい」
「いいに決まってる」
「それに俺はお前が歳をとるのが嫌なわけじゃねェよい」
「…うん」



、彼は私の名前を呼ぶ。抱きしめてる力を強める。そして私に言う。




「愛してるよい」







わかってることだけど

勝手な妄想。マルコは悪魔の実を食べてから歳をとってない。だから外見より少し 歳をとってるんだよって感じ。彼女のことは好きだけれどそんな変な能力を持つおっさんな自分と付き合っていいのか。彼女の未来に 影響を与えてしまうのじゃないか、なんて心配して悩んだから彼は一生懸命説得してたんです。だけど 彼女が本気で自分が好きで、そんなの気にしないって言ってくれて。うれしくて。 もう気持ちが抑えられなくて、自分も彼女に好きって言ったんです。そうなんです。なんかわけわからなくてごめんなさい!