「見ててイライラするんだけど」



ちゅー、とパックの牛乳を飲んでからはそう言った。 いきなり何を言い出すんだ、とそのまわりの者は思った。 隣にいた水色が「誰を」と聞いた。するとはギロリと一護を見た。 睨まれた本人はキョトン、という顔をして「俺?」と聞き返す。



「そう、一護」
「はあ?」
「友達以上恋人未満なんていうのは男女では無理な話なんだから」
「何言ってんだよ、
「啓吾はちょっと黙って」
「…はい(怖ぇえ!)」
「好きなら告白して!もたもたしてると他の男にとられちゃうよ!自分の気持ち気付いてるんでしょう」
「(ああ、そういう意味か)そうだよ、一護。後悔するのは自分だよ?」
「ほら!水色も言ってる。好きオーラ出してるだけじゃダメなの」



水色はが言っている意味がわかったのか、の発言にときどき同意して彼も言ってくる。 啓吾はもぐもぐとパンを食べながら会話を聞いている(先ほどに言われたからだ) けれど、黙っている彼も理解したのか、ときどきうんうん、と頷いている。だが、1人だけ。 一護だけは何を言っているのかわからなかった。



「意味わかんねえんだけど…」
「つまり、好きなら自分の気持ちちゃんと伝えろってこと!一護想い伝えないからイライラする」
「なんだよ?つまり自分の想いを言えってか?」
「なによ、理解してるんじゃない」



はまた牛乳を飲んだ。



「けど雰囲気ってモンがあるだろ?まだ伝えるときじゃねえ、とかさ」
「それがダメなんだって!もう関係なくバンッと言えばいいの。はい、リハーサル」
、好きだ」
「そうそう。それでいいの…よ?はっ!?ちょっと!?なんで今って言った!?」
「言った」
「なんでよ!そこは朽木さんでしょ!」
「はあ!?なんでそこでルキアが出てくるんだよ!?」
「え、だって一護の好きな人朽木さんでしょ?」



そうが言った瞬間、3人ともがキョトン、という顔をする。 一護は「違え!違え!違え!」と顔をぶんぶんと振って否定した。 水色と啓吾はけらけらと笑う。次は逆にがキョトンという顔をした。



「違うの?てっきりそうだと…。っていうか水色啓吾笑わないでよ…」
「いや、だって俺てっきりは自分のことを言ってるかと思ってよ」
「僕も思った。早くわたしに告白しなさいよアピールかと思った」
「ええ!?自分からそんな言うわけないじゃん!それに一護は朽木さんを!」
「だから違えって言ってるだろ!!!!!」
「じゃあ、誰が好きなのよ!!!!!」
「だからさっき言っただろ!俺はが好きだって!」



が持っていたパックをぐしゃりと握りつぶした。 そして口をパクパクさせて「え、さっきの、じょ、冗談じゃなかった、の」と顔を真っ赤にする 。一護は「冗談じゃねえよ」と。



「でも、そういうなのはもっと雰囲気があるでしょ…!」
「お前がそんなの関係ねえって言ったんだろ!」
「ああ…!もう!どうしてくれんのよ…!(どきどきうるさい…)」



は顔を隠してその場に座り込んだ。 啓吾は「これで少しは意識してくれるんじゃね?」と最後のパンと食べていった。 水色は真っ赤なを見て「意識というか、もう一護のこと好きになったんじゃないかな」と笑った。








雰囲気大切!