SHのとき、担任とが一緒に入ってきた。 「これからサボんなよ」と名簿での頭を軽くたたくと、 クラスの男子が「お前サボってたのばれたのかよ!」とケラケラ笑っていた。 それを聞いて、バスケの週間雑誌を見ていた青峰も視線を向けると というのは先ほどの女子生徒だった。 は「ばれたー!」と笑って席に着く。席は青峰のななめ前だった。




「(っていうのかアイツ。てか同じクラスだったのかよ)」




俺マジ知らねぇんだな女のこと、と青峰は自分に笑った。 は席に座ると隣の友達に先ほどのことを話していた。 斜め前にいるので、嫌でもその会話は耳に入ってくる。




「なんか急にバスケしたくなってさ、体育館行ってきた」
「サボって体育館行こうなんて考えるのくらいなんじゃない?馬鹿だね」
「え?そう?」
「褒めてないから。体育館に教官室あるんだから気付かれるにきまってるでしょ」
「うん。すぐ気付かれてあとは説教」
「馬鹿だねー」




ちらり、と青峰は視線だけを彼女に向ける。 するとそれに気付いたのか、と目が合った。 お前バスケ部だっけ?なんとなく思っていたことを聞くと は「違うよー」と答えた。それから会話するほどでもないのですぐに雑誌に視線を戻した。 そういえば今まで一緒なクラスだったのに、喋ったの初めてだな、と青峰は思った。




「じゃあ、明日からテストだからお前等頑張れよー」




そう担任が言って皆は立ち上がる。そして青峰も雑誌を鞄の中に入れて立ち上がった。 あのあと、体育館裏でサボって六時間目終わりのチャイムが鳴ると同時にすぐ黒子の 教室へ向かった。しかし向かっている途中で黒子を見つけたのでラッキーと思いながらも 「今日バスケしに行こうぜ」と声をかけた。 明日がテストなだけあっていつもならすぐ「いいですよ」と言ってくれる黒子も 今日は「だめです」と断った。しかし、青峰がバニラシェイク奢ってやるから、なんて言うと 黒子は「少しだけなら大丈夫です」と了解してくれたのだ。

はというと、転んだことを友人に話していた。そういえばこいつ転んでたな、と ふと思い出した青峰は「なぁ」とに声をかけた。




「お前さ、しましまはねぇわ」




少し間があってからはカッと顔赤くして「は?見てたの?あれ。ていうかパンツ見たのか青峰!?」 と青峰に言ってきた。青峰は「おー見てた見てた」と言いながら教室を出て行ってしまう。 も慌てて詳しく聞こうと追いかけるが担任に「!お前は今日の反省文書くんだろ!」 と捕まってそれはできなかった。

次の日から、は青峰に絡むようになった。 と言っても「ちょっと詳しく教えろ」「お願いだから忘れて」なんてが一方的に言っているだけで 青峰はそれを無視し続けていた。しかしそのおかげで青峰は初めて女子の名前を覚えた。




、ほんとお前しつこい」




そう言うと彼女は「うざ!」と青峰の足をどついた。







六時間目
(ていうかしましまってやめてよ!なんかださい!せめてボーダーっていってよ!) (しましまもボーダーとやらも結局は一緒だし、ださいのはださいだろ)