朝からシリウスはずっとシルクと一緒だった。朝食のときに「今日はわたしと一緒にいてくれる?」 そう言われたからだ。正直、めんどくさいと思ったシリウスは午前中だけなら、そう言おうとしたが 隣のジェームズが先に「シリウス今日は予定ないし、そうしたらどうだい?」と言ってしまったので 1日ずっといることになってしまった。 シルクはずっと話続ける一方、シリウスはまったく聞き耳持たず頭の中で明日はどんな悪戯をしてやろう、 だとかそんなことを考えていた。シルクと付き合ったのは両思いとかではない。 ただシリウスに彼女がいないときにシルクが告白してきて、断る理由もないし暇つぶしになると思ったから 付き合ったのだ (ただ、シルク本人はきっとシリウスは自分のことが好きだから付き合ったんだと思ってるに違いない)



「ねえ、あれポッターの彼女かしら?」



会話の途中、ふとシルクがシリウスの後ろ先を見てそう言った。 ジェームズに彼女?あいつエバンズともうそんな関係になったっけ?と思いながら振り返ってみると、 その先には確かにジェームズと、1人の女生徒の姿。しかしその女生徒に見覚えがある。 いや、知っている。彼女はだ。しかし、何故彼女とジェームズが一緒に? そう思っているとが「ジェームズ!」とジェームズを名前で呼んだ。



「(、今までジェームズのこと名前で呼んでたか…?)」



そのときに、シリウスはばちりとと目が合った。 彼女はシリウスを見たとたん、大きく目を見開いた。 シリウスもいきなり目が合って少し驚いた顔をする。隣にいたシルクが「あの子私たちをみて固まってるわ」と くすくす笑う。とジェームズはしばらくひそひそと何かを話していた。 その様子をじっと見つめるシリウス。そしてジェームズがにやりと笑ったかと思うと、 いきなりの手首を掴んで走ってきた。



「おい!ジェームズ!お前と…!」



横を通り過ぎるときに、シリウスはそう叫んだがは2人はそのまま走り去ってしまった (けれどとはまた少し目が合った)彼等が通り過ぎた後、シルクが 「可愛いカップルね」なんてまたくすくす笑って言った。 そんな彼女に少しムッときたシリウスは「付き合ってねえだろ!」と声を張って言った。 彼に少し驚いたシルクはしばらく話しかけることができなかった(シリウスが険悪な顔をしていたからだ)



***



「なあ、ジェームズ」



あの後、課題が残ってると嘘をつきシリウスはシルクと別れて談話室に戻った。 するとジェームズとリーマスがお菓子を食べながらくつろいでいた(ピーターは補習らしい) シリウスもソファに座ってお菓子をつまみながら先ほどのことをジェームズに問うた。



と付き合ってるとかじゃねえよな?」



するとジェームズはぶっと吹き出して盛大に笑い始めた。 慌ててシリウスはシルクが言ってたんだ、と言うとまたジェームズは笑い出す。リーマスはため息をついている。



「違うよ。君もわかってるだろ?僕が好きなのはリリーだ」
「だよな。でもお前がといるの珍しいだろ」
「図書館でたまたま会ったんだよ。それで一緒に談話室に戻ってたんだ」
「ふーん。つーか、走って通り過ぎるのは失礼だろ」
「君たちを邪魔したくなかったんだ」
「別にいい。むしろそうして欲しかったくらいだ」



はあ、とため息をつくシリウスを見てジェームズとリーマスは思う。 そんなことを思うのなら別れてしまえばいいのに、と。けれどそれを言うとシリウスは怒るのだ。 「俺の勝手だろ」とそう言って。本当に矛盾している、彼は。



「ああ、そういえば。ってお前のこと名前で呼んでたっけ?」
「図書館で会ったときに、名前で呼んでもらうよう頼んだんだ」
「珍しいな、お前がエバンズ以外の女と仲良くしようとするの」
「リリーの友人は僕の友人でもあるからね!それに興味がある!」
「そうか…」
「それに僕よりも先にリーマスのほうがと仲良いみたいだよ」
「は?」
「えっ」



お菓子に夢中になっていたリーマスが自分の名前を呼ばれてハッとする。 そして「補習とかで一緒になったからね」と言って再びお菓子を手に取った。 シリウスはそれこそ初耳でもしかして自分だけが彼女とあまり関わっていないのだろうか、と思った (ピーターはどうかわからないが)別にと仲良くなって何か得るものはない。 リーマスとジェームズが仲良くするのも勝手だろう。ただ、シリウスは少しだけ悔しいと思ったのだ。 その相手がだからなおさら(シリウス自身どうしてそう思うのかわからなかった)



「そうだ、君もとこの際仲良くしてみたらどうだい?彼女はおもしろいよ」
「少なくともシリウスに近づいてくる香水くさい彼女たちとは全然違うよ」
「んだよ、俺が選ぶ女はどれも悪いみたいな言い方すんなよ」
「そうでしょ」
「そうだろう」
「お前等なあ」



確かに、シリウスに近づいてくる子たちはどの子も香水の匂いがきつく、化粧もすごいし、 何より積極的な子が多い(とは正反対、とでも言えるだろう)



「まあ、これから一緒になる機会も多くなるだろうし。会話くらい普通にする仲にはなって損はないね」
「なんで断定できるんだよ」
「もちろん、僕がリリーにこれからアピールをしていくからさ。リリーの隣にはいつもがいるだろう?」
「確かに。けど別に俺はいつもジェームズの隣にいるわけじゃない」
「さあ、どうかな?」



その自信はどこから来るのか。シリウスはもう話をしても無駄だと思い、 リーマスが先ほどから食べているお菓子に手を伸ばした。 、と名前がでるだけで最近胸がざわり、と騒ぐ。 けれど、シリウスは少しだけ思った。と仲良くまではいかないかもしれないが、彼女を知りたい、と。



「(挨拶くらいはしてみっか)」



クッキーを一口頬彫りながらシリウスは思った。







06. You are on my mind 気になるあの子





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