リリーとセブルスには「やめておけ」と注意された。 自分でもそれは危険かな、って自覚してわかっていた。 けれど大広間でポッターにあんな話をされたら、 誰だってちょっとの仕返しで悪戯をしてみたいってなると思うの。 わたしはそう思ったわ!だからわたしは彼等に悪戯をすることにした(特にシリウス・ブラック!) 新しい悪戯なんて考える暇もなかったし(もう今すぐ悪戯返しをしたかったから) マグル式でうろたえる彼等でもない。 それもあるし、あえてわたしはお昼にされた悪戯をすることにした。 結果は大成功!(ブラックにしか水をかけることができなかったけど)



「リリー大成功しちゃった!」



急いで寮に入って、リリーにそう言うと彼女はびっくりした顔をした。 そして「まさか、悪戯したわけではないわよね?」と聞いてきたのでわたしは素直に 「そのまさかなんだけど」と答えた。すると青い顔をしてわたしの目の前まで来て 「な、なにやってるのよ!?」と怒鳴りたてた。



「いや、つい…」
「ついで済まされることじゃないわ!どうするの!!」
「ど、どうするって」
「ブラックは少し鈍いところがあるからわからないけれど、ポッターとリーマスはわからないわよ!?」
「え!?なにが!?」
「だから!きっと犯人が貴方だってことよ!」



きっとポッターはおもしろがってを…! なんてリリーは何かを呟きながら部屋の中をうろうろし始める。 そんなことを言われるとさっきまで勝ち誇ったように「ざまあみろ!」 なんて思ってた気持ちが消えて不安が押し寄せてきた。 やっぱり、あの4人組に悪戯を仕掛けるのは墓穴を掘るようなものなのかな…(うわ、どうしよう)



***



結局あの後、心配と不安で寝れなかった。けれど今日から2日間休み。 努力すればあの4人に会うことはないと思うし、2日間も過ぎればきっと忘れてくれるだろう。 (リリーにはそんな甘い考えじゃダメよ、と言われた) だからわたしはいつもより早めに朝食をとって図書館にこもっていよう、と決めていた。 朝食はおかげさまで会うことはなかったし、図書館へ行くときも運良く会うことはなかった。 図書館へついたらもっと安心だ。だってあの4人は暇さえあれば悪戯をしている。 だからこんな図書館になんて来ないだろう、そう思ってたのに。



「やあ、



ふう、と安心した矢先に隣にリーマスが座ってきたのだ。 びっくりしてわたしは椅子から立ち上がってしまった。 そんなわたしの様子を見て彼はくすくす笑った。 リーマスと話をするようになったのは薬学で一緒に補習を受けたとき。 わたしもリーマスも薬学が大の苦手でいつも補習で残されていた。 だから自然と仲良くなるわけで。挨拶だってするし、会話だってする。 けれどそれはリーマスが1人でいるときに限ってだ。 リーマス自身もそれをわかってくれているのか、 3人組と一緒にいるときはわたしには会話も挨拶すらもしなかった。



「君の行動は本当にわかりやすいよね」
「え?どういうこと?」
は朝が苦手だってことも知っているし、休みの日の朝食は最後のほうってことも知ってる」
「まあ、この間リーマスに言ったもんね」
「なのに今日は違うよね。それは僕等を避けるためじゃない?」



思わず本をめくる手を止めてしまった。ちらり、とリーマスを見るとにっこり笑ってる。 ぐるぐると何か言い訳しようと考えてると彼はまた言った。



「昨日のあれ、だよね?」
「え!?なんでわかっ…じゃなくてえっと違…ごめんなさい。わたしです」



否定しようとしたけど素直にわたしは白状した (だ、だってリーマス笑顔だけどなんだか「正直に言えよ」みたいに言われてる感じがしたんだもの…) するとリーマスは「やっぱりね」なんて言って本を読み始めた。 リリーの言ったとおり、やっぱりリーマスにはバレてた。 じゃあ、ポッターは?ブラックは?ペティグリューは?



「シリウスは君が犯人だってこと気付いていないと思うよ」



ぽつり、と呟いた。再び目が合う。どうしてリーマスは今聞きたいことがわかったんだろう。



「ピーターはわからないけど、ジェームズも気付いてる」
「(リリーの忠告はすごいわ…)」
「ジェームズは君に興味が湧いたみたい」
「…ええ!?」



あのシリウスに悪戯をする馬鹿はが初めてだ!ってね。リーマスはくすくす笑った。 馬鹿とは失礼ね!けれど自分でも自覚してる。 あの悪戯を知っているのは、体験したセブルスとわたしだけなのだから。 その悪戯をそのままそっくりし返したらバレるのも当然 (ただ、ブラックはちょっとそこらへんは鈍いことを祈る)



「ポッターはわたしのことを褒めているの?けなしているの?」
「さあ?僕はどっちもだと思うけど」
「(リーマスひどい)…ブラックは、わたしって気付いたらどうするかな?いじめるかしら」
「女の子相手にそこまでひどいことはしないよ。ならなおさらね」
「どういう意味?」
「そういう意味」



リーマスは再び本に視線を向けた。もう話はしない、ということだろう。 それよりもどういう意味なのかな。わたしならなおさらって。 リーマスはたまに大事なことを言わないで一部分しか言わないからわからない。 そもそも今言った意味が大事かどうかすらもわからないのだけれど。 それよりも今はブラックに気付かれないようどうするかだ。ポッターは仕方ない。 結構、あの人は鋭いから。 ただ、わたしが犯人だってことをポッターがブラックに言ったら終わりだ! だからリーマスに口止めしておくよう頼もうかな。



「ねえ、リーマス」
「ああ、うん。わかってるよ?ジェームズには口止めしておく。君が犯人だってこと」



名前を呼んだだけなのに、彼はわたしを見てそう言った。 ねえ、たまに思うんだけどね。リーマスって人の心読めるの? そう聞いたら彼はにっこり笑うだけだった。



「(、君いつも心の中で思ってること、口に出してるんだよ)」








04.It met in the bookroom 図書室で会った





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