テニスやろうか





「あれ?」 テニスコートへ向かうと、そこにはいつものように 目が痛くなるほどたくさんの黄色いジャージを羽織った部員はいなかった。 ぽつぽつといるだけだ。そのメンバーを見てみると、レギュラーの人たちだった。 (つまり、あの個性的なメンバーたちだよ) 「ほかのみんなは?」 コートに入って白石くんに聞くと白石くんは驚いた顔をして「あれ?言ってへんかった?」 と逆にあたしに聞いてきた。何のこと?また聞き返すと 自主練のこと、と白石くんに言われた。 「え!?もしかして今日自主練なの?」 「せやけど…昨日のミーティングで言ったハズやけどなあ」 ミーティング?昨日のミーティング何してたっけ…。 ああ。晩御飯何かなあなんてのん気なこと考えてたんだ。 なんて白石くんに言ったら怒られるよね。 「どうせ、今日の晩御飯は何かなーとか考えてたんやろ」 「…なっ!違うし!(なんでわかったの!?)」 そこに現れたのはユウジ。 この前仲直りしてから急にからんでくるようになった。 うれしい反面、生意気なところがあるからちょっとうざい。 「ユウジこそ、ミーティングのとき小春くんことばっか考えてるくせに」 「はあ!?ミーティングはちゃんと聞いとるわ!ドアホ!」 ていうか、いつの間に馴れ馴れしく俺のこと名前で呼んでんねん! と突っ込んできた。だって、前から思ってたんだけど 一氏って呼びにくいやん?噛むし。やったらユウジでええかな!なんて! 「勝手に決めんなや」 「まーまー。いいじゃないの。ちっちゃいことは気にするな♪それっ、ワカ…」 「それ古いで」 「………」 ユウジが突っ込んだあとに隣にいた白石くんがくすっと笑った。 にらむと白石くんは「すまん」と笑いながら謝ってきた。 いや、謝り方気持ちこもってないからね? はぁ、とひとつため息をついたとき、後ろから「あっ!やー!」という声が聞こえた。 この声は…! 「金ちゃーん!!☆」 金ちゃんがあたしに飛びついてきたからあたしも思いっきり両腕を広げて 金ちゃんを受け止めた。うう!この子が一番かわいい! 「今日自主練やで、来んかと思ったでぇー!」 「金ちゃんに会いたくて来たんだよ!」 「ほんまー!?ワイ、めっちゃ嬉しいで!」 「((金ちゃん、それ嘘やって))」 けど、みんな自主練とか偉いよねって白石くんに言ったら、 全国大会近いでなぁという話をされた。 そういえば、もうすぐで全国大会だ。 だから最近のみんなも練習気合入ってるんだなぁ。 「おっ☆やん」 「あー、謙也だ。今日自主練だったんだね」 「…は!?え!?今日自主練なん!?」 「「………」」 うわあ、いたよ。あたしと同じレベルの人。 (自分で言うのも空しいけどさ) たぶん。謙也も晩御飯のことを考えてたんだと思う。 もしくはペットのこととか。 「あ、じゃあも一緒にテニスやらん?」 「…え!?何をおっしゃってるのかな謙也!」 「今日自主練やし。お前マネージャーの仕事することあらへんやろ」 「まぁ…確かに」 人数は少ないし、みんなそれぞれドリンク持ってるし…。 部室の掃除だって昨日やったばっかりだし。 確かにやることはない。けれどテニスをするって…。 「ええ考えやな。もテニス部の一員やし」 「し、白石くんまで!あたしテニスなんてやったことないよ!」 「俺等が教えてやるって!」 「いや、ユウジに教えられても…なんか、不安っていうか」 「死なすど」 金ちゃんまでもテニスやるん?ワイと試合しよー!なんて言ってノリ気である。 白石くんも小石川くんに「ラケットって余ってたっけ?」なんて聞いてる! 本当にダメなんだってば!あたしそこまで運動神経よくないんだから! 「ええやないですか。別に運動オンチでも」 「うわっ!財前くん!?別に運動オンチまではいってない!…と思う」 「楽しめればいいやないですか」 「…そうだね。じゃあ、財前くんがあたしに教えてよ、テニス」 「無理っすわ」 「ひどっ!!!」 そんなわけで、謙也の一言であたしは今日みんなとテニスをすることになった。 いろいろ不安である…。まず誰に教えてもらおうか。 ((俺教えたるで!))(ほんとに謙也とユウジだけは勘弁…) 1ヶ月ぶりの更新です。「本当にダメなんだってば!」っていうのはテニミュの馬場りょ風に!笑 10.08.14
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