「ユーウ。おはようっ」
「おはよう」



朝はいつも親友のユウと一緒に登校している。
いつものように他愛のない話から始めようと、昨日のテレビ見た?そう聞こうとしたら。
急に「あんた、続くの?」と聞かれた。



「…え。なにが?」
「なにが?じゃないわよ。マネージャーよ」
「…は?何いってるの?ユウ?おーい?」
「もしかして、本人知らないってこと?」
「だから、何が!?マネージャーってなんのこと!?」
「テニス部のマネージャー」
「…は?」


 

うそって言って!

 

「白石どこやー!!!」
「何や、朝から声でかいで。あといつもの『くん』忘れとる」
「あたしマネージャーやらないって言ったよね?」
「言ったで」
「じゃあ、なんであたしマネージャーやるっていう噂が流れてるわけ」
「だって、マネージャーやるやん」
「だからそれが意味わかんないんだってば!」



どうやら、あたしがマネージャーをやる、という噂が昨日の放課後の間に
流れていたらしい。あたしはちゃんとやらないって言った。



「昨日、名前書いてくれたやん」
「え…?なんのこと?」
「昨日小春に会うたやろ?」



確かに、昨日帰る途中で小春くんに呼び止められて署名とか言われて…
名前を書いてはんこを押した。



「それや、それ。自分ちゃんと紙見なあかんで」
「え?」
「その紙、署名とちゃうで」



確かにテニス部は増えとる。けど、1年はまだ球拾いや。
コートなんて必要ないで。
白石くんはそう言う。じゃあ、昨日の紙は一体何なんだ、そう聞くと

いつもの笑顔で彼はこう言った。


「入部届けや。もちろん、マネージャーとして」



それを聞いた瞬間、持っていた鞄が落ちて中身が散乱した。
白石くんはそれを見て何やってるん、とか言いながら散乱したものを拾い始めた。


…入部届け?マネージャー?



「ふざけるなぁぁぁあああ!!!!」



そう叫ぶと、ちょうど登校してきた謙也が「どないしたん!?」って慌ててあたしのところに来た。
とりあえず、謙也も騙した仲間に入るかわからないけれど。
無償にイライラしてて、謙也が「ちょ、何があったん!?」とかしつこく聞いてくるもんだから、

一発思いっきり殴ってやった。

 

 


「最悪だ…」

 

白石くんに文句を言うけど、「しゃーないやん。もうはんこも押してもたん」とか言うし、
謙也は「ええやん。おもろいで!テニス部!」とか言うし、
オサムちゃんに取り消しにしたい、とか言うと
「俺もマネージャー欲しかったんやー!」とか喜んでて話聞いてくれないし。


結局そうしてるうちに放課後がきてしまった。
さっき白石くんに「マネージャー業は今日からやで」って囁かれた。

今日、帰りに可愛い雑貨屋さん行こうと思ったんだけどなあ…。
このまま逃げようかなあ…。

 

ー?どこ行くん?」
「っけ、謙也…」
「お前今日からやろ?ほら、行くで〜」

鞄を持ってコソコソしてたら、謙也に見つかって、全力疾走しようと思ったときに
手首をつかまれた。そして、ずるずるとテニスコートのほうに連れて行かれた。

 

「あっら〜、ちゃん、お久しぶりね」

 

謙也に連れて行かれて、ようやく手首を離されたと思ったら、
目の前に小春くんが現れた。
もとを辿れば…、この人のせいだ…!

 

「ちょっと、小春くん!君のせいでね、あたしマネージャーやらされることになったんだけど」
「アタシは頼まれたのよ。蔵リンに」
「だからって…!(ていうか、蔵リンって…)」
「小春に触るなや!死なすど!」

 

ドンッと一歩踏み出したときに、小春くんとあたしの間に一氏くんが入ってきた。
キッて睨み返すと、あっちも睨み返してきた。

 

「触ってないもん!」
「触ろうとしやろ!」
「してない!つか、触んないし!」
「それ、小春が汚いいうことか!?あ゛あ゛ん!?」
「誰もそんなこと言ってないよ!ただ、小春くんのせいであたしはー…!」

 

火花を散らして言い合いをしていると、「ストップ」という声が聞こえた。
見てみると白石くんだ。一氏くんは「覚えとけや、クソ女」って言って小春くんと肩を組んで
テニスコートへ入っていった。


一氏くんは噂どおりの男だった。
噂では、一氏くんは小春くんLOVEで小春くん命で
女子にはまったく目を向けなくて冷たい人だって聞いた。
あたしは一氏くんのことは知らなかったけど、流石にそれはないでしょって
受け流していたけれど、本当だったんだ。

 

、喧嘩はアカンで。評判悪くなるで?」
「いいもん。評判悪くなってやめてやる」
「そないなこと言うなや。大丈夫やで。なら慣れる」
「絶対慣れない。テニス部変な人ばっかだもん…!」

 

まず、髪がそれぞれ違いすぎる。
校則がゆるいからって、金髪とかクリーム色とか…赤色とか…!
ピアス5個もつけてる人もいるし、白石くんなんて怪我してないのに包帯してるし。

それから、中学生?って思う人もいるし、ホモいるし…。
普通っていったら小石川くんくらいだ!

 

「けど、なら楽しいって思える日がくるで」



あと10分したらレギュラーだけの会議があるん。
そのときに紹介したいで、それまでに部室来てな。
白石くんはそういい残して部室に入っていった。

 

…楽しいって思える日なんかくるわけないよ。
だって、もう一氏くんと口喧嘩した時点でもう終わりだ。やめたいって思ったもん。

 

 

第2話。休みの日は勉強しないから小説書けるのが嬉しいです(笑) 09.11.23
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